福祉の世界を学び始めたきっかけ

大学時代に得た社会福祉の学びは、

私の人生にとても大きな影響を与えました。

そもそも社会福祉を学ぶために進学を目指したきっかけとは何だったのか、思い出してみます。

 

私は高校時代、人生のドン底を経験します。

最初のドン底は小学生の時であったと記憶していますが、

私には人生で大きな転機が三度あり、

高校時代に起こった二度目の転機は、

私の進路を大きく揺るがしました。

高校に入学したばかりの頃、私は食べることが好きだというだけで、

管理栄養士になりたいと思っていました。

 

しかし、高校二年で起こったある経験は、

私から自信、希望、感情といったものを奪い去り、

私を抜け殻のようにしてしまいました。

 

進路どころの騒ぎではありません。

私は生きている意味がわからなくなり、

私にかかるお金や食料、空気までもが勿体無いと思うようになりました。

 

そんなある日、学校に献血バスがやってきました。

私は血液でなら誰かの役に立てるはずと、

すがるように受付に行ったのです。

 

しかし、血液が薄いだかなんだかで、

結局献血ができなかったのです。

追い討ちをかけられたようでものすごくつらく、

いただいたパックのジュースも飲むことができませんでした。

 

それでも、家族に何も悟られないまま、時間が過ぎていきました。

 

その後担任の先生と進路について話し合う機会があり、

私は真剣に言いました。

青年海外協力隊に入りたい。」

とにかく誰かの役に立ちたかったのです。

しかし担任の先生から返ってきた言葉もまたつらいものでした。

 

「今のお前に何ができる?足手まといになるだけだ。」

協力隊での赴任経験のある先生の言葉には重みがあり、

胸に刺さりましたが、

先生は続けてこう言いました。

「まずはもっと身近な人を助けられるだろう。」

そして社会福祉の世界を教えてくれたのでした。

ちなみに青年海外協力隊の資料もくれました。

 

 

それでも、

進学するならそのお金で海外に病院を建てたい…

としばらくは考えがまとまりませんでした。

 

今思えば親の金で、勝手なもんです。

 

こうして踏み込んだ社会福祉の世界は、

思っていたより身近な世界だったのです。